SRフォーラム2012 分科会2-A マルチステークホルダーで地球規模の課題に立ち向かう

こんにちは、社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク事務局です。
日々、暑さが増しますね。

それでは引き続き、5/17・18に開催いたしました「5/17-18 SRフォーラム2012―社会的責任(SR)から社会的信頼(SR)へ」のレポートを掲載していきます。

続いて、分科会2-Aマルチステークホルダーで地球規模の課題に立ち向かう~SR円卓会議・地球規模WG(ワーキンググループ)
 についてです。

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報告者:鈴木宏二(日本労働連合総連合会)
   :金井司(三井住友信託銀行株式会社)
   :水澤恵(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター)
   :星野智子(一般社団法人環境パートナーシップ会議)
   :堀江良彰(特定非営利活動法人 難民を助ける会)
進 行:吉澤有紀(特定非営利活動法人 難民を助ける会)

 マルチステークホルダープロセス(MSP)で行われている「社会的責任(SR)に関する円卓会議」のワーキンググループ(WG)の1つ、地球規模課題WGでの取り組みを通じてみえたMSPの課題を中心に、WGメンバーからご報告をいただきました。
まず、WG副主査の鈴木宏二さんよりWGでの取り組みについて、続いて星野智子さんよりMSPによる準備委員会が設置されたリオ+20について、お話いただきました。最後に、各セクターでの取り組みについて、金融セクターから金井司さん、労働セクターから鈴木宏二さん、NPO/NGOセクターから水澤恵さんにお話しいただきました。

 国際会議では定着しつつある円卓会議が、日本ではまだ定着しておらず、WGはMSPを模索しながらの議論の場になりました。協働で取り組むテーマを「フェアトレード・児童労働・BOPビジネス・MDGs・森林・低炭素社会・生物多様性」の7つとし、テーマの理解や各セクターでの取り組みの共有から始めました。円卓会議を機に金融セクターではセクター全体を統括する連絡会が立ち上がったことや、WGからの提案が一助となりリオ+20国内準備委員会にMSPが取り入れられたことなど、一定の成果はありました。一方で、MSPの課題も多く見えました。積極的に協働案を出すセクターもあれば、一度も議論の場にでてこないセクターもあり、セクター間の温度差を埋める作業に多くの時間を割きました。また、NPO/NGOは即決できることも、例えば企業は、動き出せば大きな力になりますが、行動するまでの組織内での意思決定に時間がかかります。お互いの組織の事情を理解することもMSPを進める上で、重要でした。
 
 対等な立場で7つのセクターが集まったSR円卓会議。WG開始から2年が経過し、試行錯誤を繰り返しながら、お互いの組織への理解が深まったことは大きな前進です。同時に、セクター間でテーマ、そしてMSPに対する温度差があることや、WGとしての意見をまとめる議論には時間を要することなど、多くの課題が見えてきました。
 
 グローバル化によるサプライチェーンの重視や非正規雇用が増える中で、デューデリジェンスが重要視されるなど、SRが益々求められる社会的状況になっています。また、MDGsをはじめ、目標は定められているが具体的な行動計画がない地球規模課題の解決に向けては、さらにMSPの重要性が高まってきます。
今回の分科会を通して、今後ますます広まっていくであろうMSPに向き合うヒントを得ていただいていたら幸いです。