なぜNPO/NGOが社会的責任(SR)に取り組む必要性があるのでしょうか

「NPO/NGO」あるいは「市民セクター」という言葉が日常生活に登場する社会になってきました。地域の疲弊、少子高齢化、復興支援、生物多様性の危機、悪化する世界の貧困…私たちのすぐ隣から世界まで常にある社会問題。そしてその社会問題を解決するために自ら行動をおこす市民活動はますます活発になり、期待されています。
一方で、NPO/NGOが組織として発展するにつれ、私たち自身も、情報公開、説明責任や雇用など、組織としての社会的責任をより一層自覚し、対応することが求められています。社会的責任、といっても構えるようなことではなく、私たちが普段会員を募り、信頼を得るために努力していることそのものです。NPO/NGOが組織として社会的責任を深めることで多くの他セクターとの関わりが増える。それによって社会問題が解決に近づき、社会的責任を果たせるNPO/NGOセクターがより力強く活動する…NNネットはこのように考え、NPO/NGOの社会的責任を深めるためのお手伝いを含んだ活動をしています。

社会的責任とは?

ISO26000では「7つの原則」を社会的責任として掲げています。
1.説明責任
2.透明性
3.倫理的な行動
4.ステークホルダーの利害の調整
5.法の支配の尊重
6.国際行動規範の尊重
7.人権の尊重

協働・信頼の輪を拡げるために

私たちは日々組織で働いたり、組織が提供するサービスやもの
を利用しています。もし勤務先の組織で労働基本法が守られて
いなかったら、いつもたべているサンドイッチの原材料名に嘘の
原料が書いてあったら、あなたは勤務先の組織を辞めたいと思うかもしれないし、サンドイッチをつくっている会社を信頼しなくなり、二度とそのサンドイッチを買いたくないと思うのではないでしょうか。少し突拍子のない例だったかもしれませんが、私たちNGO/NPOも同じようにまずサービスを提供している先からの信頼を得る必要があります。情報を公開し、説明責任を果たし、法令を遵守すること。社会的責任を深めることは、活動への共感する人を増やし、他セクターと協働を果たすことにもつながっていきます。

互いに関わり合うことで、気づかなかったことに気づく
(ステークホルダーエンゲージメント)

マルチステークホルダープロセスとは「多様な利害関係者(ステークホルダー)が参加した対話と合意形成の枠組み」のことであり、プロセスに参加するステークホルダーが、合意形成された結果に責任を共有することに特徴があります。徹底的なプロセスの公開が行われることで他セクターとの協議において自らのセクターのSRを果たすという緊張をもち、社会的に信頼を得るセクターに成長していくきっかけになります。