名古屋・東海地域でもSRへの取組が活発化(SR連携プラットフォーム 森建輔)
名古屋・東海地域でもSRへの取組が活発化
森 建輔(一般社団法人SR連携プラットフォーム 専務理事)
SR連携プラットフォームについて
◇SR連携プラットフォームは、すべての事業体が社会責任について関心を持ち、自らの振る舞いについてそれぞれが責任を果たす社会づくりを目的に、名古屋市にて2011年6月に設立されました。SR社会をつくるのは、NPO・NGOによるソーシャルな事業だけでも、企業によるCSRだけでもありません。すべての事業体が自らを社会的な存在として位置づけ、その振る舞いに責任を持つことで、社会全体がより良い方向へ向かうのだと考えています。そんな社会づくりのためのプラットフォームとなるべく、SRに関する普及啓発・情報発信・連携促進・取組支援に取組んでいます。
◇設立からまだ日が浅く、理事・事務局もまだまだ勉強させていただきながらではありますが、これまで、ISO26000の基礎セミナーに始まり、先進企業への現場見学会・中小企業を主な対象としたCSR実践講座・自治体における社会責任(LGSR)推進のセミナー・労働および人権課題の具体的取組としてのダイバーシティ雇用に関するセミナーなどを開催してまいりました。本拠を置く名古屋を中心とした東海地域は、自動車産業を中心とした製造業が活発なエリアであることもあり、中小・中堅企業を対象とした取組に力を入れてきています。
◇また一方で、NPO・NGOのSRについては、特に労働・組織統治などの面で、むしろ企業の取組に比べて遅れている面が多くあり(これはもちろん東海地域に限ったことではないと思いますが)、これから取組を進めていきたいと考えています。
当初、企業を対象とする取組を進めたことで、逆に企業の優れた取組・体制を知ることができました。特に、労働・組織統治・環境などの分野においては、NPO・NGOは企業の取組に学ぶべきところがたくさんあると感じています。
社会責任・あいち
◇そんな私の問題意識と呼応するように、名古屋を中心とするエリアのNPO・NGOから有志が集まり「社会責任・あいち」として、この地域のNPO・NGOの社会責任を考えるグループが発足しました。
◇もとはISO26000発行を期に「ISO26000勉強会」として緩やかに集まって学習を進めておりましたが、これまでの学びを、広くこの地域のNPO・NGOに発信したいという機運が高まり、正式に「社会責任・あいち」として発足(SR連携プラットフォームからも私が参画しています)。と同時に、具体的な取組の第一歩としてNPO・NGOがSRに取組む際に使える、より実践的なツールとして「ワークブック」を制作することになりました。これに対する費用助成も決まり、来年秋ごろの発行を目指してこれから本格的に編集作業に入ります。さらに、発行に付随して、本ワークブックの活用法をお知らせするセミナーの開催も予定しています。
愛知CSR研究会
◇また「この取組がCSRとは知らないうちにCSRに取組んでいた!」そんな「天然CSR」な中小企業経営者でつくる「一般社団法人CSRコミュニティ」の動きも見逃せません。「愛知CSR研究会」として、愛知県・大学・大手企業・金融機関・経済団体そして中小企業からなる研究会を発足させ、愛知県版の「CSR企業を讃える仕組み」の創設をにらみつつ、研究を進めています。
◇以上のように、名古屋を中心とした東海地域でも企業・NPO・NGOそれぞれでSR推進の取組が活発になってきています。これからもNNネットとの連携を深め、各地・各セクターでSRへの取組が加速するよう、積極的に取組んでいきたいと考えています。