SRフォーラム2013報告◆分科会B 社会課題解決とSRの向上を他セクターと実施する~多様なセクターのSR事例から、ヒントをもらおう!

NNネットでは、5月10日(金)、東京・早稲田にて、SRフォーラム2013「“四方よし”で実践、NGO/NPOの社会的責任(SR)実践事例を学び、 SRに取り組もう!」を開催しました。約80名のご参加をいただき、盛況のうちに終了いたしました。全体会、分科会のレポートを掲載していきます。

分科会B「社会課題解決とSRの向上を他セクターと実施する ~多様なセクターのSR事例から、ヒントをもらおう!」

分科会Bは、様々なセクターによるSRの取り組み事例を学ぶとともに、他セクターとの連携について考えることを目的に開催されました。

<登壇者>
岡田 芳明さん(三菱地所株式会社環境・CSR推進部)
熊谷 謙一さん(日本ILO協議会編集企画委員)
野本 剛司さん(さいたま市経済局経済部経済政策課)
黒田 かをりさん(コーディネーター)(一般財団法人CSOネットワーク理事・事務局長)

日本ILO協議会の熊谷謙一さん。ISO26000の活用動向について、国際・国内・組織内それぞれの取り組みについてご説明いただきました

まず日本ILO協議会の熊谷謙一さんより、「ISO26000の活用と組織の課題」と題し、ISO26000の国際・国内及び組織内の活用動向について説明、マルチステークホルダープロセスの重要性についての指摘がありました。日本でも2012年にJIS26000が発行され、様々なセクターで普及が進んでいるとのこと。USR(労働組合の社会的責任)については、連合はじめ各労組による取り組みや、他セクターとの連携事例を紹介していただきました。

三菱地所株式会社の岡田芳明さんからは、三菱地所グループのCSR活動「空と土プロジェクト」について報告がありました。同プロジェクトは、NPO法人「えがおつなげて」との協働により実施されている、都市と農村を結んだ持続可能な社会の実現を模索するプログラムです。このプロジェクトを発展させる仕組みとして、関係者との定例会、第三者との意見交換の場などがあります。最後にマルチステークホルダーとともに創る共通価値CSV(Creating Shared Value)という方向性が提示されました。

さいたま市経済局経済部経済政策課の野本剛司さん。さいたま市のCSR施策についてご報告いただきました

さいたま市経済局経済部経済政策課の野本剛司さんからは、さいたま市が取り組んでいるCSR施策について報告がありました。CSRの課題は行政の政策課題でもあり、企業と行政の協働によるCSRの普及・促進が必要です。そのための施策として、さいたま市では、中小企業のためのCSRチェックリストの作成、CSRチャレンジ企業認証制度の構築、CSRコミュニティ作りに取り組んでいます。このような仕組み作りにより、信頼される企業が育ち、地域社会に必要とされ根付くことで、地域の活性化を目指しています。

分科会Bの質疑応答では活発な議論がなされました。壇上中央は三菱地所株式会社の岡田芳明さん

3名の登壇者による報告後、コーディネーターを務めた一般財団法人CSOネットワークの黒田かをりさんより、他セクターとの連携や協働に関する質問があり、セクターを越えた連携・協働の可能性が模索されました。フロアを交えたディスカッションでは、組織内・外との協働に関する質問が多く見受けられました。

当日の発表資料(PDF)をご覧いただけます。

さいたま市のCSR推進施策について(PDF)(さいたま市 野本剛史さん)