イベント報告:社会的責任に関する円卓会議(SR円卓会議)報告&意見交換会 part1

2012-11-15 14:43:20
NNネット主催で表記、SR円卓会議の報告&意見交換会を、10月16日(火)、23日(火)の2日間、開催いたしました。現在、SR円卓会議の中には4つのワーキンググループ(WG)があり、それぞれに設定されたテーマについて、マルチステークホルダーが集って活動をしています。

◆SR円卓会議についてはこちら→http://sustainability.go.jp/forum/
◆NNネットによる、SR円卓会議についてのご報告はこちら→https://www.sr-nn.net/entaku.html

2011年3月、SR円卓会議総会において決議した『安全・安心で持続可能な未来に向けた共同戦略』(http://sustainability.go.jp/forum/meetings/archives/110323_gm.html  )の中に示された、個別テーマごとの行動計画によると、2013年3月がWGの活動の節目となることもあり、今回WGのテーマを各回2つずつ取り上げ、それぞれの活動の進捗状況と成果をご報告し、今後へ向けた意見交換を行う会を開催いたしました。

10月16日には、4つのWGのうち、「人を育む基盤の整備」WG及び「持続可能な地域づくり」WGについての報告と意見交換を行いました。それぞれのテーマについて、報告と意見交換の概要をお伝えします。

【人を育む基盤の整備】
報告者:黒田かをり(CSOネットワーク)、
     村上千里(「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議)

<報告概要>
「人を育む基盤の整備」WGは、とりまとめ役の主査を消費者セクター、事業者セクターで担当してきた。このWGでは「持続可能な社会の実現を支えることができる、責任ある主体を育むための、人材育成の基盤整備」を目指している。そのためには、セクター単位で実施されてきた従来の教育を越え、多様なセクターが集まり、それらの情報や問題意識、資源、経験を持ちよって協働していくことが必要であるとの認識のもと、まずは各セクターがこれまで取り組んできた教育事業を共有するところからスタートした。マルチセクターではないが、セクター間での協働の取り組み事例についても共有しつつ、WGの協働プロジェクトとして、2011年から2012年にかけては「消費者・市民教育モデル事業」「+ESDプロジェクト」などの事業を実施することができた。
 現在は、さらにこの試みを広げ、深めるとともに、教育そのものの中身の見直し(つまりどういった教育が、持続可能な社会づくりに貢献する人材を育てる教育なのかといった、「持続可能な社会を担う人材育成の原則」についての議論)もすすめているところである。

<意見交換など>
・2012年8月に成立した「消費者教育推進法」においても、このWGのめざす消費者教育とテーマが重なるところがある。こうした法的な根拠をもとに、啓発を進める機会を作っていただきたい。

【持続可能な地域づくり】
報告者:川北秀人(IIHOE)

<報告概要>
 「持続可能な地域づくり」WGでは、2012年3月にWGの有志で「地域円卓のすすめ」という冊子を完成させた。http://ameblo.jp/sr-nn/entry-11200144497.html  
その後のWGの動きを率直に報告すると、それ以降、行動計画には「全国15カ所での会議開催」「地域づくりファンドなど、官民が共同した資金供給体制づくりの検討」などいくつか明記しているものの、マルチセクターが顔を合わせての議論は残念ながら進んでいない状況にある。一方で、全国の各地域においては、SR円卓会議より後から始まった「新しい公共事業」の中に、円卓会議が手法として実現しているケースがいくつも出ている。具体例としては茨城県、沖縄県那覇市、秋田県横手市、愛知県知多市など、それぞれに取り組むテーマや集まるステークホルダーは異なるものの、地域の課題の当事者を中心に、円卓会議の動かし方にも工夫をこらして運営がされている。
現在はそれらの個別実施事例をひろいながら、「持続可能な地域づくり」」の仕組み(枠組み)づくりへとボトムアップでつなげられないかと模索している状況である。

<意見交換など>
・新しい公共事業など、期間限定の事業にはお金は残らない。こうした機会に、仕組みや人の関係をいかに残すかの工夫が必要。
・Q:地域円卓の際に、モデレーターとして適切な人材はどういった人か?→A:どのセクターからも中立な立場、というよりはセクターの輪の重なりをつくれる人が好ましいのではないか。必ずしもその地域の人である必要はないと感じる。

今回2つのWGからの報告を伺い、それぞれに着実な成果を重ねていることが実感できました。もちろん課題はあるものの、マルチステークホルダーで各テーマについて取り組んできた実績は、今後の大きな成果へ向けた着実な前進だと感じています。こうした機会をとらえた報告会・意見交換会も、議論を担当者の内にとどめないために重要だと思いました。