イベント報告:社会的責任に関する円卓会議(SR円卓会議)報告&意見交換会 part2

NNネット主催で表記、SR円卓会議の報告&意見交換会を、10月16日(火)、23日(火)の2日間、開催いたしました。現在、SR円卓会議の中 には4つのワーキンググループ(WG)があり、それぞれに設定されたテーマについて、マルチステークホルダーが集って活動をしています。
◆SR円卓会議についてはこちら→http://sustainability.go.jp/forum/

◆NNネットによる、SR円卓会議についてのご報告はこちら→https://www.sr-nn.net/entaku.html
2011年3月、SR円卓会議総会において決議した『安全・安心で持続可能な未来に向けた共同戦略』(http://sustainability.go.jp/forum/meetings/archives/110323_gm.html  )の中に示された、個別テーマごとの行動計画によると、2013年3月がWGの活動の節目となることもあり、今回WGのテーマを各回2つずつ取り上げ、それぞれの活動の進捗状況と成果をご報告し、今後へ向けた意見交換を行う会を開催いたしました。

 

10月23日には、4つのWGのうち、「ともに生きる社会の形成」WG及び「地球規模の課題解決への参画」WGについての報告と意見交換を行いました。それぞれのテーマについて、報告の概要をお伝えします。

ともに生きる社会の形成

報告者:田村太郎(ダイバーシティ研究所)
<報告の概要>
「ともに生きる社会の形成」WGでは、2011年3月まで、関連する個別テーマを取り上げた勉強会をWG内で重ねつつ、現状と課題などについての理解と共 有をはかってきた。2011年3月のSR円卓会議総会において決議した『安全・安心で持続可能な未来に向けた共同戦略』(http://sustainability.go.jp/forum/meetings/archives/110323_gm.html  )の中にも明記された「ともに生きる社会の形成に向けた行動計画」※にそって、現在は活動をすすめている。(※この行動計画は、4つのWGそれぞれにつ いて策定されており、「協働によって取り組むべき課題」「成果目標」「各主体の取り組み」「主体間の協働の取り組み」など6項目に整理されています。先回 の報告にも名前を挙げておりますが、是非一度、お目通しいただければ幸いです)
成果の一つとしてあげられるのが2012年7月に発行したリーフレット『「ともに生きる社会」のための暮らしやすさの10の指標』であり、今後、この指標 をもとに数値化した指数と、指標や指数を使って、地域での現状確認や課題の改善策立案へ向けた計画を作るためのツールの開発を目指していく。

 

<意見交換など>
・Q:各指標で活用する予定の既存データは、調査年月にばらつきがあり、全体として整合性をもたせるのは困難では?→A:確かに調査年月はまちまちだが、 それを揃えることはほぼ不可能である。現状ではこうした数値を可視化し、そこから地域の課題抽出や更なるデータを拾うための合意をつくるきっかけづくりと なることを目指している。

・今回の指標は、マルチステークホルダーで作られたところが他の指標とは一線を画すところである。指標を活用する工夫は今後の課題としてさらに試行錯誤していきたい。

・(上記意見に合わせ)例えば世論調査や、国民生活白書などの特集テーマとして取り上げられると、より一層、議論を大きく広げるきっかけになると思う。

 

地球規模の課題解決への参画

報告者:堀江良彰(AAR Japan[難民を助ける会])
<報告概要>
「地球規模の課題解決への参画」WGでは、NPO/NGOセクターがWGの取りまとめ役として主査を担当している。2010年5月の、正式なWGの設置 以降は、学習会や会合を重ね、2011年3月の「安全・安心で持続可能な未来に向けた協働戦略」策定を行った。「地球規模課題」を整理することに時間がか かったが、結果として「フェアトレード、児童労働、BOPビジネス、MDG’s、森林の整備・保全と持続可能な利用、低炭素社会の実現、生物多様性」の7 つの課題に決定した。
現在は上記戦略の中に策定されている行動計画に沿った活動が進められている。2012年6月に開催された国際会議「リオ+20」に向け、マルチ・ステー クホルダー・プロセスによる「国内準備委員会の設置」をWGとして提言し、実現に至ったことが大きな成果の一つだと言える。また、2012年10月2日に 「拡大作戦会議」と称したイベントを開催し、このテーマについての理解を深めるための報告と意見交換を行った。全てのセクターから76名もの参加を得て、 非常に有意義だったという声も多数いただいている。この第2弾を現在企画中であり、計画をより進める足がかりとしたい。

 

<意見交換など>
・現在決定した7つの課題に決定する以前には、「水資源」などの課題も候補にあがっていた。今後はこの7つを継続テーマとして良いかの議論も必要となってくるだろう。

・事業者セクターはすでに、環境に関してCSRなどでの取り組みが非常に進んでおり、実績のある事業者も多い。セクターの持つ強みを活かせるような議論もできると良いのでは。
2日間に分けて開催した今回の報告会・意見交換会では、改めて4WGの成果と課題を一覧したことで、マルチステークホルダーでの取り組みとしては国 内初のSR円卓会議の成果と課題が透けて見えた思いでした。この取り組みが開いた端緒を閉ざすことのないよう、今後の取り組みにも関心をもって関わってい きたいと思います。皆さまも、是非さまざまな場面で、ご一緒に議論に加わっていただけたら幸いです。