SRセミナー「第1回:導入・概要編」報告
NNネット主催「SRの基礎を学ぶ!連続セミナー」報告
第1回:導入・概要編
「今、なぜ“SR”か。~“SR”の基礎を理解する~」 報告
(2010年2月2日(火)開催)
◆「SRをめぐるこれまでの経緯と現状」
(CSOネットワーク 黒田かをりさん)
・CSRは企業を対象とした概念として発展してきた
・世界レベルで企業の社会的責任(CSR)が高まった要因
グローバル化/ステークホルダーからの要請/企業の不祥事等
・規格・基準作成の動き―企業単体や産業界としての行動規範作成へ
・日本におけるCSRの発展
コンプライアンス+社会貢献+環境を中心に発展
・CSRからSRへ―企業だけではなくあらゆる組織にも社会的責任が求められる
・社会的責任にとり組む上で重要なキーワード
トリプルボトムライン
デューディリジェンス
ステークホルダーエンゲージメント
・ISO26000とは
・ISO(国際標準化機構(International Organization for Standardization)
が策定中の社会的責任(SR)の規格
・基本原則、中核主題、課題等を示す
・既存の組織の戦略、システム、慣行、プロセスに社会的に責任ある行動
を取り入れるための手引きを提供
・ISO26000の主な特徴、概要、中核主題、ガイダンスについて
◆「SRの基礎を学ぶQ&A」
(難民を助ける会 堀江良彰さん)
・「CSRとSRはどう違う?」
CSRは営利企業を念頭
→SRとして、企業だけでなくあらゆる組織が配慮し、行動に移していくべきである
として、発展・拡大
行動主体が企業かあらゆる組織かの違い
・「社会貢献活動とSRはどう違う?」
“貢献”から社会的価値を生み出すものへ
・「コンプライアンスとSRはどう違う?」
コンプライアンス:狭義 法令遵守、広義 企業倫理や社会規範の遵守
→SRはさらに高次の環境や社会を考慮した行動
・「アカウンタビリティとSRはどう違う?」
アカウンタビリティ:一般に「説明責任」さらに、人権の尊重や運営の独立性など
→しかし、SRの一つの要素
・「ステークホルダーとは何か。どのように特定すればいいか」
「利害関係者」
ISO26000におけるステークホルダーの6つの視点
-誰に対して法的義務があるか
-組織の活動によって影響(+-)を受けるのは誰か
-似たような課題に対応した経験
-誰が組織を助けることができるか
-エンゲージメントから除外された場合、誰が不利になる可能性があるか
-サプライチェーンの中で影響を受けるのは誰か
◆「SRとは何か。NPOにとってのSR」
(日本NPOセンター 新田英理子さん)
・NPO/NGOにとって「いいことがある」からとり組む、という方向へ
「なんでもかんでも」は無理。活動の特性と合わせながら、優先順位をつける。
NPOのNPOによる、NPOのためのSRを推進するためのネットワークがNNネット。
自分たちがここまでやれる、という前向きなSRを目指したい。
・NPO/NGOにとってのSRとは?
我々の活動は社会からの「信頼」を得るために行っている。
そのために、本来活動とは別のSRを実践すること、
規模の大小に関係なくSRを果たすこと、が必要。
・NPO/NGOがSRにとり組むとどんないいことがありますか?
社会的信頼が増大する
ミッションの見直しの機会を得ることができる
より広い社会課題を俯瞰できる
・NPO/NGOはどこからSRにとり組むべきか
ステップ1:メンバーで学習会を行い、共通の認識を持つ
ステップ2:SR視点にとる組織運営、事業活動の課題の洗い出しを行う
ステップ3:優先順位をつける (事柄×範囲×深さの掛け算!)
・NPOの活動分野・ミッションとSRの取り組みの関係は?
・取り組みやすい分野 (環境、福祉、人権配慮等)
・これからとり組まなければならない分野 (労働慣行等)
・協働でSRにとり組むためにNPOに必要なこととは?
マルチステークホルダーアプローチによって活動を進めることが重要
◆質問・意見交換 (略)