2009年8月17日 円卓会議WG共有会議開催報告

日時:2009年8月17日13:30~16:00
会場:地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)

【開催概要】
1.円卓会議の意義・経緯などについての解説と質疑応答
2.4つのWGから進捗報告と質疑応答
3.質疑応答・意見交換
4.今後の進め方について

1.円卓会議の意義・経緯などについての解説と質疑応答

冒頭、川北さん(IIHOE)から2点について、報告いただき、質疑応答を行いました。
1.「円卓会議の意義やこれまでの経緯」について、報告。簡単な質疑応答。
2.「NNネットとして、ワーキング・グループ(WG)に臨む体制と基本的なルール」について

いただいた主なご質問と、その回答は、以下の通りです。

Q1:最終的なアウトプットのイメージは?

A1:WGごとに進捗のばらつきがあるかもしれないが、協働戦略の来春
提出が当面のゴール。ただし、円卓会議の基本的な役割として、
協働戦略の提案だけでなく、PDCAを見守ることになっている。
そのため、協働戦略だけでなく、各セクターの
アクションプランも示す必要があると、考えている。

Q2:協働戦略の実行に必要な資金やマンパワーなどの担保の予定は?

A2:政府設置の審議会のように予算・制度ありきではなく、予算時期
と無関係に進める。
各WGのテーマも、個別課題の具体的な取り組み方を議論するものもあれば、
政策形成プロセスを扱うものもある。いずれにしても、予算上の担保はない。

Q3:「NPO・NGOセクターとしての戦略」づくりは、どう進めるのか?

A3:わが国初のマルチステークホルダーの取り組みだが、NPO/NGOセクターと
して、他セクターと協働で進めることへの合意を、セクター全体から取る
ことは難しいが、共有・合意を高める努力はせねばならないと考えている。

Q4:「1.目指すべき安全・安心で持続可能な社会の姿」のうち、「”新たな公”
の構築」とあるのは、「公共」とするべきでは?そもそも、政府から公共を
引き剥がして、いかに構築するかが私たちのセクターの使命でもある。
「パブリック」も、「公」ではなく「公共」と訳されるべき。

A4:運営委員会で論点になったが、「行政も含めた新たな公」という解釈。

Q5:戦略ができた後の動きは?
モデルを設け、下ろしていくというのが、政府のこれまでのやり方。
WG設置とともに、次年度以降のことを戦略的に描き始めるために
体制づくりをするとなると、資金が課題になってくる。
円卓会議の仕組みをうまく活かせば、資金集めが出来るとも思われるが?

A5:(行政を含む)各セクターが具体的な話に落とし込む動きに、
NPO/NGOとしてどうコミットするかということと、NPO/NGO
セクター内でどう動くかということが、同時並行に求められる。
また、今回取り上げられていない課題も沢山ある。
さらに、同様のプロセスや場の持ち方を、より多くの地域に、
より多くの課題へと拡げていく動きも必要になる。
政府など特定の資金を頼むばかりでなく、自己資金調達も必要になる
場面など、複合的に考える必要がある。
円卓会議では、大きなテーマのレベルに留まり、具体的な策は
各セクターで、という形にもなるかもしれない。
限られた時間の中で進めているため、見えていない点もある。
みなさんには、部会・運営委員会などの開催情報はご案内するので、
傍聴にも来ていただいき、ご意見いただきたい。

Q6:各WGへの関心表明はいつまでに、どのように?

A6:事務局(日本NPOセンター)宛に、9月4日を目処にお願いするメールを後日送信。

2.4つのWGから進捗報告と質疑応答

(1)共生(発表:田村(ダイバーシティ研究所/部会委員)さん)
田村さん、横田さん(いばらきNPOコモンズ/運営委員)を主担当として
情報収集。7月21日の部会の際に、他のグループとご挨拶した
ところ、連合と東京商工会議所は関心が高い印象。
8月17日の当会議の後、連合に訪問予定。

(2)グローバル(難民を助ける会・堀江さん)
岩附さん(ACE/運営委員)が主担当。星野さん(EPC)にもご参加し
いただき、提案団体が集まるミーティングを先週開催した。
地球環境問題・児童労働・MDGsなど多岐にわたるテーマを
今年度中に、というのは無理なので、今年はとりあえず
「フェアトレード」と「児童労働」の2点について、アクションプランを
作っていけたらというトーンで一致。
9月11日に、消費者・労働組合などにも呼びかけて会合を持つ予定。

Q:外務省への働きかけへの反応は?
A:現時点ではない(らしい)。

(3)地域(報告:川北さん)
「持続可能な地域経済」と「虹のニューディール」を合体した
テーマ。地域ごとのシナリオや、協働の阻害要因・重複している
要素などを描いていけたら。
8月下旬から9月上旬には、予備的な打合せを持ちたい。
「地域」というテーマ上、地域の団体にも関わってほしいが、
旅費が問題。

・富永さん(移民政策研究所/協働提案者)より、「NICEに信頼して
お任せし、外国人の課題が出てきたところで関わりたい。
施策の重複の整理という点について、行政施策で重複している
ものを、単にカットするだけだと、地域のNPO・NGOはまた資源が
枯渇してしまいかねない。重複は、基盤整備などに回すという
方向に仕向けた方がよいだろう。

Q:「経済循環」という表現は限定的で、人権的・社会的な要素がない印象。
A:地域内の経済循環が促されない限り、地域の福祉の最適化は難しい。
そのためには、金融機関を巻き込むのが重要と考えている。

(4)市民教育(報告:伊藤さん(市民教育のためのサービス・ラーニング・クリアリングハウス))
7月14日に他のセクターと協議を持ち、ESDのパンフを参考に共通言語化してみた。

Q:7月14日のミーティングには、他のセクターからはどんな方が参加されたか?
A:経団連(社会本部)からの運営委員と担当者、消団連1名、内閣府の前の担当課長補佐と担当者、
文科省・環境省と、NPO・NGOグループ。

質疑応答の様子

3.質疑応答・意見交換

Q7:WG委員と主幹事は兼任できるのか?
(注: 主幹事とは、WGのテーマを提案したセクターのことで、「グロー
バル」と「地域」はNPO/NGOセクターが、「市民教育」は消費者・
事業者・政府が、 「共生」は労働者が、それぞれ主幹事を務めることに
なっています。各WGには、座長となる「主査」も、任命される予定です。)

A7:まず、各テーマの提案団体には、WG委員になっていただければと期待している。
その中から、WG委員のリーダーを決めて、その人がWGの「主査」を兼ねることもあり得る。
「主幹事」は、いわゆる事務局として、議事や作業計画案の取りまとめを行うことになっている。
日程調整等については、別途、内閣府が委託した業者がいるとのこと。

Q8:どこまで、全セクター参加を強く主張するか?
まったく参加していないセクターが拒否権発動ということもあるかも知れない。

A8:星野委員が総会で「全セクター参加は必須」と発言され、
運営委員長も同意、他のセクターからも反対が出ていない。

Q9:総会での配布資料は、表現も削ぎ落としたものという印象。
WGはこれに縛られる必要はないという合意を、取っておく必要があるのでは?

A9:10月頃予定の運営委員会(+総合戦略部会)で、
各WGの趣意文等が検討されるが、原則として、総会での
配布資料を踏まえて、メッセージ性や合意を肉付けしながら
進めていければ。
NPOだけでも、無難な用語になるというのは、よくあること。
特定の用語に過敏に反応するセクターもあり、議論をする
プロセスを持つことが重要。

Q10:主幹事がNPO/NGOの場合、NNネットの
代表として動かすことになるため、誰にWG専門委員を依頼するか
については、WGで決めてよいのか?
それともNNネットの幹事会か?

A10:NNネットの正式な手続きを要するのは、代表協議員として
調整も担っていただくWG委員のみ。
それ以外は、WG内で完結をしてもらってかまわないが、
円卓のMLなどで逐次共有してほしい。
この会議も今後毎月1回開催し、会員内外にも共有するために、
リーダーには報告もお願いしたい。

Q11:NPO・NGOも多様で、考え方が極端に異なる
可能性もあり得る。WG委員などを選定する前に、
候補団体をNNネット全体で把握した方がよいのでは?

A11:「この人はダメ」という指摘や拒否(ネガティブなスクリーニング)
は難しいのでは?
他のセクターの人選に対しても、「この人も加えて」という提案を
する方がよい。

以下は、いただいたご意見などです。

・助成財団に対して、効果的にアプローチすることも検討していきたい。

・どこまでをNPOというのか?株式会社でも社会課題解決に関わる、ボーダーな人たちもいる。

・円卓会議では、対話の機会をきっちり作ることが重要であり、市民教育で他セクターとの議論が
早速できたことも、一定の意義はあった。議論ができる唯一の場所として、使えるはず。省庁も
資料が出しやすいはずだ。

・あまり抽象化させず、具体的に考えることがNPO・NGOの役割。

・プロセスそのものを作り直す工程も重要であり、個別の案件にとらわれすぎないということも重要。

・現場の課題は、長期的に関わっていかないと難しいが、少しでも実質的かつリアリティのあるも
のを作る必要がある。行動計画には、具体的な実践につながるものもあれば、啓発的なものも
あるだろう。他のセクターに対しても、対立ではなく、意欲的に関わってもらえるような姿勢で。
「4月以降も継続審議」という方針を決めることも、戦略の一つ。

4.今後の進め方について

9月4日までに、ご希望のWGに「関心表明」をお願いします。
(複数の方の名前・ご連絡先を出していただけると助かります!)
その方々や他セクターも含めた準備会を9月中に順次開催し、
10月中に開催される運営委員会で正式に委員を確定する、
という流れになればと期待しています。

なお、同日の配布資料は、第2回総会のものですので、
http://sustainability.go.jp/forum/meetings/archives/090810_gm.html
から入手していただくことができます。

進捗状況については、下記の日程で、同様に開催します。

○日程:第2回 9月18日(金) 18:30~20:30ごろ
第3回 10月13日(火) 18:30~20:30ごろ

○会場:地球環境パートナーシッププラザ

※内容については、川北さんのブログから一部引用させていただきました。ありがとうございました。