“市民参加・パートナーシップ”はどのように発展してきたか。(EPC 星野智子)

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“市民参加・パートナーシップ”はどのように発展してきたか。

星野智子(一般社団法人環境パートナーシップ会議 副代表理事)

NNネットでは、あらゆるセクター間との対話と“マルチステークホルダープロセス”を重視しています。これによって市民セクターの定着と社会的な位置づけの向上を目指す とともに、自らの社会的責任と信頼を高めるように取り組んでいます。このために、NPO/NGOが社会において参加しやすいような環境づくりにも努めています。さて、ここ20年ほど、“市民参加”や“パートナーシップ”という言葉がよく使われるようになっているかと思いますが、どのあたりから発祥したのでしょうか。近年の環境問題関係からの視点では以下のような事実が挙げられます。

1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)(通称:地球サミット)」において合意された「リオ宣言」の第10原則で「環境問題は関心あるすべての市民が適時、参加することで、最も良く対処される。」と記載されており、市民参加の重要性を訴えています。原則の最後には各国及び国民はパートナーシップの精神で協力しなければならないと書いて締めくくっています。またこれを実践するための行動計画「アジェンダ21」には以下のようにNGOの重要性が書かれています。
「参加型民主主義の形成及び実効には、NGOが重要な役割を果たす。彼らの信頼性は彼らが社会において果たす責任のある建設的な役割にある。草の根運動と同様に、公式及び非公式な組織はアジェンダ21実行のパートナーとして認識されるべきである。」
  
前述のリオ宣言第10原則を受けて、市民の参加権を保障するために、オーフス条約が締結されました。オーフス条約では環境に関する、①情報へのアクセス、②意思決定への参画、③司法アクセス(裁判を受ける権利)を、NGOを含めた全ての市民に保障することを目的として各国が市民に保障しなくてはならない国際的基準を定めています。日本は批准しておりませんが、この精神を日本の法制度の見直しに生かそうとNGOが活動しています。

このように、すでにNGOやパートナーシップの重要性はハイレベルの文書で明記されており、これらを受けて各国の法律や自治体の条例にも反映されております。このようなNGO活動や市民の権利を裏付けるような記述は世界人権宣言や国連ミレニアム宣言、障害者権利条約などでも見ることができます。
国際会議へのNGOの参加や、国際機関がNGOとのコンサルテーションの機会をもつことなどはすでに定番となってきています。マルチステークホルダープロセスも各地で実現できるようになってきました。

このように私たちNPO/NGOの活動は保障されており、まだまだ参加する機会がこれからも期待されてくると思います。チャンスを生かしきれていない場面もあるかもしれません。これからもっと一緒に活動できる仲間ができることを期待しています。

【参考】
リオ宣言ほか
http://www.epc.or.jp/summit.item.100/pastplans.html
オーフス条約
http://www.aarhusjapan.org/convention.html

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