ISO26000

ISO26000は、ISO(国際標準化機構:本部ジュネーブ)が2010年11月1日に発行した、組織の社会的責任に関する国際規格です。ISO26000の開発にあたってはISO規格としてははじめてマルチステークホルダープロセスがとられ、幅広いセクターの代表が議論に参加しました。NNネットはISO26000の発行に向け、NPO/NGO総体としての意見を広く議論する場を提供し、現在はISO26000の普及に取組んでいます。
(マルチステークホルダープロセス:背景の異なる複数のステークホルダーがテーブルを囲み、課題解決のための行動計画や目標についての合意形成を行っていく枠組みやその過程のこと)

ISO26000が生まれた経緯

この規格づくりは、2001年4月ISOの理事会がISO消費者政策委員会に企業の社会的責任(CSR)規格の開発の可能性と要否の検討について打診したことに端を発します。当時、CSRの重要性が世界中で高まり、多種多様な行動規範やガイドラインが次々と作られていました。その中で、企業活動は国境を越えるため、国際的な統一基準が求められるようになりました。そこでISOが規格検討に着手したのです。その後、検討と議論を重ねた結果、持続可能な社会づくりのために企業以外の組織にも社会的責任が求められること、また幅広い組織への適用がこの規格の重要度と意義を増すであろうといった理由から、CSR規格ではなく、あらゆる組織を対象としたSRの規格を開発することになりました。(策定に関わったNPOが読み解くISO26000:P8-9より)

ISO26000の特徴

ISO26000は、あらゆる組織に向けて開発された社会的責任に関する世界初のガイダンス文書で、持続可能な発展への貢献を最大化することを目的にしています。同時に、人権と多様性の尊重という重要な概念を包含しています。

特徴1:あらゆる組織に適用可能なこと

この規格は、組織の大小、活動する場所が先進国か途上国であるかを問わず、また民間、非営利、公的機関であるかに関わらず、あらゆる組織に役立つことを意図してつくられています。ISO26000に書いてあること全てが、あらゆる種類の組織に同等に用いられるわけではありませんが、いかなる組織であっても社会的責任に関する中核主題には関連性を持っています。

特徴2:認証を意図しない手引書(ガイダンス)であること

ISO26000は、マネジメントシステム規格ではありません。認証を目的としたり、規制や契約のために使用したりすることを意図していません。またそれらに適切でもありません。ISO26000は要求事項を含むものではないため、認証の根拠となる適合性評価をすることはできません。

特徴3:策定に、消費者、政府、産業界、労働、NGO、SSRO(サービス・サポート・研究・学術及びその他)によるマルチステークホルダープロセスが採用されたこと

ISO26000の開発にあたっては、上に挙げた6つのステークホルダーが主体的に参加し、合意に至るまで議論を尽くすというユニークな策定プロセスが採用されました。また策定プロセスには多くの途上国が参加しました。最終的に99カ国の参加を得て(その3分の2以上は途上国)、6つのステークホルダーの合意により規格を策定したことはISO史上始まって以来のことです。それゆえ策定に長い年月がかかったわけですが、このこと自体がISO26000に価値と意義を与えていると言えるでしょう。
(策定に関わったNPOが読み解くISO26000:P10より)

ISO26000開発と普及におけるNNネットの役割

前述のようにマルチステークホルダープロセスを採用したISO26000の開発にあたっては、NGOもステークホルダーのひとつとして参加しました。NNネットは、ISO26000の国内審議を行うための国内委員会にNPO/NGOからの委員を選出、また「エキスパート」と呼ばれるISOでの国際会議に参加する代表者を選出して参加してきました。
ISO26000の開発過程では、ISOからドラフト(原稿)に対するコメントが募集されました。NNネットでは複数回の検討会を実施して意見を集約、コメントを提出しました。主に、「人権」「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」「組織全体に社会的責任を統合するための手引」に重点をおいて検討し、その多くが採用されています。
2010年11月の発行後はその普及に取組み、NPO/NGOが自団体のSRに取組むためのワークショップや企業向けのセミナーなどを行っています。

※ISO26000についてより詳しく知りたい方は、「策定に関わったNPOが読み解くISO26000」をご参照ください。
※全国のNPO/NGO、企業、行政等からの講演のご依頼にお応えしています。
詳細は(掲載ページへリンク)

参考URL
・ISO/SR国内委員会  http://iso26000.jsa.or.jp/contents/
・日本規格協会  http://www.jsa.or.jp/stdz/sr/sr.asp
・国際標準化機構(ISO) ISO26000ウェブサイト [英語]
http://www.iso.org/iso/home/standards/management-standards/iso26000.htm

ISO26000発行後の動き

http://sr-nn.net/jigyo/seisakuteigen/iso26000/after

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