連続SRセミナー2016 第2回「メガスポーツイベントと持続可能性調達」開催報告

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2016年度の連続SRセミナー第2回目は、「メガスポーツイベントと持続可能性調達」をテーマに開催しました(9月20日開催)。

登壇者は、崎田裕子さん(特定非営利活動法人 持続可能な社会をつくる元気ネット)と、田中丈夫さん(公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)です。

以下、崎田祐子さんの報告内容です。

1.「メガスポーツイベントにおける持続可能性」

循環型社会づくり、持続可能な大会運営を目指した2012年のロンドン五輪大会について関係者等に話を聞くためにロンドンに視察に行きました。ロンドン大会は地球1個分の暮らしをテーマに行われました。総合力を高めた4つのポイントとしては、①明確な目標と専門チーム設置、②調達などのマネジメントシステム導入、③持続可能性調達基準の作成と関係者向けの研修、④企業、市民との共創があげられます。

また、ロンドン2012フードビジョン(1550万食分の調達方針)を策定、オリンピック後にも継続していく意志を持って作られたとのことです。

9月に、リオ2016のパラリンピック競技大会に行き、マラカナン競技場、選手村等を見てきました。施設は仮設が多かったが、それでも現地ではきちんと運営できたという評価を得ていました。資源や設備などはリユースを考えることが社会に納得感を与えると思います。また飲料のカップはおしゃれで持ち帰れるものでしたが、東京大会では、もう一工夫リユースできるシステムとして、考えたいと思います。

次に、田中丈夫さんの報告内容です。

2.「東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う持続可能性に配慮した取り組みについて」

IOCが2014年に採択したアジェンダ2020に持続可能性に関する取り組みの推進が明記されました。東京大会では、持続可能性に配慮した運営計画の策定を進めているところですが、先般そのフレームワークを公表しました。持続可能性に配慮した運営計画の第一版案を8月に出して、パブリックコメントを募集しました。運営計画の主要テーマは、「気候変動」「資源管理」「大気・水・緑・生物多様性等」「人権・労働・公正な事業慣行等への配慮」「参加・協働、情報発信」であり、計画の実現に向けたツール(ISO20121:イベントマネジメントのISO規格、持続可能性に配慮した調達コードの策定・運用、オリンピック大会影響調査等)から構成されています。有識者委員会については透明性に配慮し、基本的に議事録は公開し、記者も傍聴可能となっています。

「持続可能性に配慮した調達コード」に関しては、基本原則はすでに公開しており、木材に関する個別基準を策定しました。現在共通事項に関する基準を議論しており、担保方法や苦情処理システムについても議論していく予定です。適用範囲は組織委員会が調達するすべての物品サービス及びライセンス製品であり、東京都や国が調達するものは対象外ではあるが、遵守を働きかけています。

「アクション&レガシープラン2016」参画プログラムについて
有識者と共に5つの柱(スポーツ健康、文化教育、街づくり持続可能性、経済テクノロジー、復興等)で議論しています。参画プログラムが検討されていて、様々な組織団体が大会に繋がりを持てるようにしています。公認プログラムと応援プログラムの2つのプログラムがあり、公認(OCOG)マーク、応援(NC)マークがそれぞれ公認されたプログラムに使えるようになります。

田中さんには、リオ大会の視察について、写真とともに説明していただきました。
主な点としては、ゴミ箱や分別作業、再生可能燃料100%の車の利用、仮設トイレ、調達している食材、木材などについて。

質疑応答、コメントなど

その後、小グループに分かれて、崎田さん、田中さんに対する1つの質問、1つのコメントを考えてもらいました。たくさんの質問とコメントが出ました。以下、いくつかの質問とスピーカーからの回答を紹介します。

質問:持続可能性を評価するKPI指標について
回答:東京も作る予定。

質問:リオの食品認証75%は非常に驚き。東京ではこのレベルでできるのか。
回答:認証については、国内にある基準、国際的な基準の検討を考えながら、東京2020大会としての基準を現在策定しているところ。

質問:認証策定のプロセスについて訊きたい。小さな民間の声も反映されるのか。
回答:パブリックコメントを行っている。調達コード全体や個別のコードを作る時も実施する予定。

質問:ロンドンを超えられるのか。
回答:委員会では、日本らしさが発揮できるもの、将来に向けて半歩先を行くものなどを提案していきたい。

質問:外国人労働者の課題など労働人権について。
回答:今回の調達基準にしっかりと設定し、今後にも生かしていくことが重要。

質問:ロンドン五輪を契機に、ロンドンはどう変わったのか。
回答:ロンドン社会の変化については、オリンピックのレガシーを感じている。終了後も認証された食材を使うお店やオーガニックのレストランが増えていると聞いた。

質問:東京五輪のレガシーについて
回答:レガシーをどうやって繋げていくかは、NGOやNPOの活動の中でも広めて継続させていただきたい。我々も協力させていただきたい。

4.今後に向けて

NNネットは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における持続可能な調達について、2014年の9月に第1回目のセミナーを開催して以来、注目しています。今後も、同様のテーマを取り上げて、多様なアクターと議論をする場を持つことを継続して行きたいと思っています。

以上
(文責:CSOネットワーク)

 

社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク(NNネット)では、以下のテーマで今後のSR連続セミナーを開催します。お申込みをお待ちしております。

第3回 ビジネスと人権に関する国連指導原則
日時:2016年12月20日(火)18:00~20:00(開場17:45)

第4回 「持続可能な調達」規格-ISO20400
日時:2017年2月21日(火)18:00~20:00(開場17:45)

 

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