NPOの社会責任(SR)課題に共に本気で取り組もう!(IIHOE 星野美佳、川北秀人)

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NPOの社会責任(SR)課題に共に本気で取り組もう!

星野美佳、川北秀人(IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所])

 ISO26000の中核主題をNPOの運営に当てはめて読み解くと、どのような課題が浮き彫りになるのか、その解決のためにはどのような方法が考えられるか。IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]では、2012年から「NSR(NPOの社会責任)取り組み推進プロジェクト」を進めています。これは、2010年に開いた「ISO26000を自団体に当てはめる会」という勉強会に参加する団体を拡大する形で、(般財)ダイバーシティ研究所とともに呼びかけたもので、(特)NPOサポートセンター、(特)かものはしプロジェクト、(般社)環境パートナーシップ会議(EPC)、(特)参画プラネット、(特)難民を助ける会の計7団体で、NPOのSR課題に取り組み、1つの団体内では解決が難しいことも、取り組みを共有することでお互いにヒントを持ち寄ろう、という趣旨で始まったものです。
まずは、それぞれの組織の運営を、SRの視点から改めて見つめ直すことから検討しようと、2012年度はISO26000の中核主題ごとに、毎月テーマを決めて研究会を開催。ISO26000の中核主題に挙げられている課題や「求められる行動」を各団体の運営に当てはめると、具体的にどんな取り組みが必要になるのかを議論しました。
(*この成果の要旨はこちらからダウンロードできます。

例えば「人権」。「人権が尊重された状態とは、どのような状態を指すのか」について、国際人権章典等を参照しながら確認。特に配慮すべき対象や権利の内容を、ISO26000の記載内容を中心にレビューし、自分たちの活動に当てはめて考えるとどんな行動が必要になるか、それぞれがアセスメント(評価)してみました。
その結果、人権配慮のための行動指針の宣言を公開しておくこと、(一般に苦情を言いづらい)受益者へのモニタリングやアンケートを実施して受益者の声を聞くこと、そしてセミナー等開催時のUD(ユニバーサルデザイン)対応の重要性などを議論しました。

この研究会を受けて、IIHOEではこれまで不文律として共有してきた、活動を進めていく上での基本原則を明文化することにまず取り組もうと、2013年7月に「人権の尊重に関する基本方針」を公開、その方針に基づいた物品・サービスの調達・購買原則を定めようと、現在内部での議論を進めています。

小規模な組織にとって、ISO26000に記載されている網羅的な課題や「求められる行動」は何からどうとりかかったらいいのか、途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。しかし、当方のように、わずか3、4人しかスタッフがいない団体でも、日常のマネジメントに落とし込むための第一歩は、参照すべき既存の原則を確認し、トップ・マネジメントがコミットメントしたうえで、各スタッフが、自らの担当業務において、接点を確認し、重点的に取り組むべきことを定めて進めていくこと。それは万を超える従業員を有するグローバル企業と同じです。
さらには、NPOの中には障碍者支援やLGBT(セクシャルマイノリティ)など、個別のテーマに関しては本業の活動として取り組む組織も多くあります。弊所でも人権方針を公開、パブリックコメントを募集した際には、本業として人権課題に取り組む団体に貴重な助言をいただきました。他の組織の専門性も借りながら自組織の強みを活かし、他者の行動への影響力を行使することは、NPOだからこそできる部分でもあります。

2013年度のNSR取り組み推進プロジェクトでは、それぞれの団体内部での取り組みを進めながら、お互いに報告・助言し合うピアビューを実施。少しずつですが、NPOのSR課題に本気で取り組み、共に解決しようという動きが進んでいます。 ISO26000が、すべての組織を対象とするために、第三者認証を要する「規格」ではなく、自主的開示を求める「ガイダンス文書」としたのは、まさに私たちのような小さな組織でも、活動にSRの視点を組み込み、お互いに取り組みの水準を高め続けることを求めるためだったのだろうと、都合よく解釈して、歩を進め続けたいと思います。

NPOの社会責任(NSR)取り組み推進プロジェクトのfacebookページも、ぜひご参照ください!

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