SRセミナー「第3回:応用編2」報告

NNネット主催「SRを基礎を学ぶ!連続セミナー」報告

第3回:応用編2 
 「NPO/NGOにとってのSR」 報告
 (2010年4月6日(木)開催)

◆ 「すべての組織に問われる社会責任にNPO/NGOが応えるために 
 ―ISO26000に応えるNPOの社会責任―」
   (IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]川北秀人さん)

  ○コミュニケーションからエンゲージメントへ
   エンゲージメント:相手を巻き込んで、力を借りる!

  ○ISO26000/SRが挙げる「主要課題」(第6章)
    組織統治/人権/労働慣行/環境/公正な事業慣行/消費者課題/
    コミュニティ参画・開発

  ○社会(的)責任に取り組むメリット? 
  ・社会の期待のよりよい理解
  ・リスク・マネジメントの向上
  ・組織への評価の改善と信頼の増進
  ・ステークホルダーとの関係強化
  ・従業員の士気向上と、優秀な人材確保
  ・生産性や資源効率の改善によるコスト削減
  ・倫理的で公正な競争による信頼性の向上
  ・消費者とのトラブル回避
  ・組織の持続可能性への貢献
  ・公益と市民社会への貢献
   例:宇都宮市 まちづくり貢献企業認証項目

  ○企業が本気でCSRに取り組まねばならない10の理由
    →これはNPOにとっても同じ
     守りから攻め(新しい不可価値の創造)のSRへ

  ○ミッションを体現する!
  
  ○ではどう始める?どう拡げる?
  ・本業の長期的な基盤に投資する。
    人材:優秀な従業員が働き続けやすい環境づくり
       子育て・介護などに「家族に優しい」柔軟な働き方
   将来の人材:中学生・高校生へのガチンコ就業体験
   環境:水・土・森の保全→原材料の確保として

  ・従業員が本気で続けられる課題を示す。
    廃棄物の削減(=資材の最適化)、エコ安全ドライブ

 ・同業や地域の他社と一緒に取り組む。
   場合によって、自社で先行投資して他社にも開放する。

 ・ベンチマーキングを止めない。
 ・専門家としてのNPOと協働する。(そのための専門性、持っているか?)

    →これらは全て、NPOにも当てはまる

  ○NPO/NGOが果たすべき3つの基本的責任
  ・「根拠」と「結果」の2つの説明責任
  ・「法令」と「規則」を遵守する法的責任
 ・環境、健康と人権、安全、コミュニティへの責任
   Environment(環境)
   Health(健康) + Human Rights(人権)
   Safety(安全) + Security
    → Employees’ Happiness Standard!(従業員の幸福水準)
      +Community(地域またはテーマ社会)

  ☆「ISO26000を自団体に当てはめる!研究会」を開催してみた
    まずISO26000を読んで理解し、自分の団体に置き換える作業が必要。
    組織の規模、活動対象(国内外)の違い等をふまえた上で、
    NPOにとって、何を最初に取り組むべきか(取り組めるか)優先順位を決める。
    そして実践のためのヒントを共有する。 
     →できていないことも含め、どこまでできていて何が課題なのかを知ることが重要。